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2018/11/9〜11 渡邊
塩原温泉自炊湯治 その2〜秋(ソロ篇)

春に行った同じ宿に行って来た。本当は10月下旬に予約したかったが、2か月前に電話したにもかかわらず11月のこの時期にしか予約がとれなかった。それも3泊だけ。
いつもなら紅葉の時期が終わりかけているはずが異常気候のためか1週間以上遅れていて、下の方はちょうどいい。

11月9日(金)小雨
石心
天せいろ
店内の雰囲気
まだ10時だというのにもう大田原市の街中に入った。予定していた市内の蕎麦屋は11時半から、時間があるのでスーパーマーケットに寄って夕食と明日の総菜を調達してから思い切って那須岳の麓にある予定外の蕎麦屋「石心」を目指す。ここは塩原に行くたびに昼食候補に挙がるのだが、いつも時間帯が悪くて気になっていながら諦めていた店だ。これは小雨のなか朝の5時半に家を出て一般道をひたすら走ったご褒美か。

県道から外れて高原の林の中、未舗装の細い道を進むと小ぢんまりしたく空地に車が数台見える。しかし店の看板も案内も何もない。分譲別荘風のここ(脱サラして始めた店か?)はあくまで静まりかえって雨がその雰囲気を際だてている。のれんが掛かったそれらしい建物をやっと見つけた。膝ほどの高さの石に「石心」と彫られた看板代わりがあるだけ。雨の中の店頭は名前の通り「石の心」の心意気か?

開店直後にもかかわらず、すでに数組の先客がある。樹木に囲まれた店内は薄暗く、客席は静かで照明も温色の電球のみ。水琴窟の響きが一層店内の落ち着きをかき立てる。ひっきりなしに客があり私の後は20分ほど待たないと蕎麦が出来ないと言われている。

出された天せいろは蕎麦はあくまでも細く、そば殻の黒い色が残っている。口に含むと新蕎麦の香りが際だつ。天ぷらは驚くほど完成度が高く、海老はプリプリ、さつまいもは薄くカットされポテトチップスのようにカリッと揚がっていて、レンコンは反対に厚く切られシャキシャキ感がいい。ここの蕎麦と天ぷらはいわゆる「旨い蕎麦」を超えて、一皮むけたまったく別次元の味だ。私が食べた天せいろのなかでもこれは絶品と言える。ミシュランなら間違いなく星をもらえるだろう。

11月までは冷たい蕎麦しか出さず、それもメニューには2品が素っ気なく書かれているだけ。どこでとれた新蕎麦か、なんて説明や張り紙は一切ない。店のロケーションとアプローチ、店内の雰囲気と、蕎麦と天ぷらにこだわって蕎麦職人の心意気を感じさせる。なのに、なぜか出し汁が3種類、ほかに塩と唐辛子とで味わえる、と言う。なら、出し汁も店主はこれで食べてくれ、という職人の自負がほしい。これだけ「蕎麦」にこだわっているのに、それだけがこの店にかけている。いい店なのに残念でならない。

午後は秋の「竜化の滝」を撮影し宿に早めに向かう。
竜化の滝
小雨の塩原

11月10日(土)晴れ時々曇り
もみぢ紅葉
山越えをして湧水群の名水で有名な尚仁沢に向かう。ここは6月頃の苔のきれいな時期に光芒と共に流水の流れを撮った写真で有名な撮影ポイントだが、今年の春は駐車場までロケーションをしただけで今回初めて訪れる。45分ほど沢を溯行した地点に湧水群があるが、季節が秋ということもあり、過去の大水で川が荒れ以前ほど魅力的な風景ではない。何カットか撮った後、帰路につく。もうここは再び行く必要もない撮影ポイントか・・・・。

山道を戻って春に訪れたスッカン沢の撮影に向かう。山の上は紅葉が終わっていて、沢沿いを下りていっても紅葉は期待できそうにない。気温の高いなか半袖のTシャツでも汗ばむほど。カツラの大木の紅葉に一抹の希望を抱えて行く。やはり葉はすっかり落ちて2週間ほど早かったらと悔やまれる。ぜひ黄葉した大木を見てみたいものだ。

本日はシャッター数がはかどらないまま宿につく。
尚仁沢湧水地

11月11日(日)晴れ時々曇り
乙女の滝 モノクロ仕上げ
日曜日の今日は紅葉狩りの車で道が混雑するだろう。
途中気になっていた紅葉と葉を落とした樹木の肌のコントラストが美しい、宿の近くの朝の風景を狙った。しかし光がまともな順光だ。再度夕方の光に期待してみよう。宿に一度戻ってから板矢温泉の近くにある「乙女の滝」に向かう。塩原温泉に向かう反対の道は車の渋滞が始まっていた。

滝の上部の葉がすっかり落ちて、新緑に覆われてわからなかった道路の橋と電線が丸見えになっている。滝そのものに近寄って、入らないように画面を工夫し撮影した。やはりここは新緑の季節が一番なのだろう。滝の魅力が半減している。

光芒が狙える午後の時間をねばったが納得のいくカットがとれない。こんなときは、途中のスーパーマーケットでうまい酒のつまみを買って、ゆっくり温泉に入って一杯やるに限る。

帰りがけに朝うまくとれなかった紅葉の美しい樹木の撮影を夕光で狙う。
紅葉の美しい樹木の撮影を夕光で狙う

11月12日(月)曇り
田舎屋を利用した「かめやま」
もう帰京する日になってしまった。8時過ぎに宿を出て帰途につが、真岡市にある手打ちそば「かめやま」が楽しみだ。

11時の開店と同時に入店する。ここは農家が庭も含めてそのまま店として使われており地元では評判の店だ。店内も座敷でりっぱに田舎風のしつらえ。出てきた天せいろは天ぷらはまあまあ、しかし蕎麦は細く、蕎麦殻の黒い点がないだけで「石心」をほうふつさせる出来だ。蕎麦は那須産という。しかも写真ではわからないが蕎麦の量はけっこう多い。このあたりは田舎風か。ここはけっこうお勧めだ。

途中「道の駅にのみや」で地元になっている普通の柿を買って自宅に向かう。
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